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HOME > 講義・ワークショップ > 講義・ワークショップ等の報告 > 第2回「高度専門キャリア形成論Ⅰ・Ⅱ」の報告です

講義・ワークショップ講義・ワークショップ等の報告

第2回「高度専門キャリア形成論Ⅰ・Ⅱ」の報告です

2013年06月27日

第2回高度専門キャリア形成論Ⅰ・Ⅱが、6月20日(木)に開催されました。

 「企業が求める人材像」
  小島 伸一 氏 (いであ株式会社取締役相談役)

参加者が初回よりも多かったことから、初回と同様に初めの10分間は、松山優治先生より本科目の主旨および受講登録の方法について説明がありました。次第に参加者が増えて、皆さんが徐々にキャリア形成論に興味を持っていただけていることを、スタッフ一同嬉しく思いました。

引き続いて、松山優治先生より小島氏の略歴を簡単に紹介した後に、小島氏の登壇となりました。
最初に、小島氏が東京水産大学の学生であった頃の時代背景や、アルバイトの経験等について話され、今の東京海洋大学は女子学生も多く、明るい雰囲気であるとの印象を語られました。小島氏の穏やかで、ユーモアのあるお人柄が窺えた気がします。

● コンサルタントを目指すなら、技術士を取得してほしい

小島氏は、東京水産大学を卒業後に、いであ株式会社の前身である新日本気象海洋株式会社へ入社されました。いであ社は、環境科学の分野における総合コンサルタント企業として、様々な事業展開をしていることについても具体例を示しながら説明され、社員の半数は技術士を所持していると話されました。コンサルティング分野を目指すなら、ぜひ技術士の取得を目指してほしいと述べられました。また、いであ社では、採用者の8割が修士であること、社内には博士が30人いること等を、スライドを使って説明されました。

小島氏は、「同じ会社に40年以上勤務している、私の話が何かの役に立てるのか?」と、出席者に質問されました。そして、「聞く側に、そのアドバイスを積極的に活かそうとする意気込みがあれば有効になる。」との考えを示され、受講者に対する小島氏の熱意を語られました。

● コンサルタントは顧客の信頼を得ることが大事

次に、コンサルタント業務とは、技術レベルと顧客満足度をセットで提供する、人間関係に基づくサービス業であることから、顧客の信頼を得ることが大事であると述べられました。そしてこのためには、コンサルタントは専門家であると同時に、顧客の課題を見出し、顧客の解決策を提示する能力が求められていると説明されました。また、「顧客の立場で解決する」とは、「顧客の気持ちを理解する」ことであり、「自分は正しいんだ!」では駄目であるとも指摘されました。コンサルタント業界で長く働かれている小島氏からの、後輩の皆さんに対する貴重なご意見だったと思います。

● コンサルタントは多様な分野に対応できる能力とマネージメント力が必要

受講者の皆さんは技術開発を推進できる技術力は持っているが、企業ではスピード感も必要で、どんどん何かを進めていくことが重要であり、そのためにはセンスも必要だそうです。企業は「やる気のある人に、人材育成のお金を掛ける。」ことを知って欲しいと述べられました。小島氏は、「自分の夢を持っているだろうか?そしてそのために努力しているだろうか?」と、30歳前後の若手社員に質問を投げ掛けているそうです。いであ社では、学卒で入社した後、平均して10年程で管理職になるそうです。一つの分野だけでも駄目だし、技術力だけでも駄目で、多様な分野に対応できる能力に加えて、マネージメント力も必要とされている。博士号取得者は、「その研究は、社会にどう活用できるのか?」、あるいは「他の分野に成果を活かすためにどういうことができるのか?」と自問自答してみることが必要だと指摘されました。

● ひたすら自分に投資することが、将来の利益につながる

新人が入社して最初に感じるギャップとは、「専門外の仕事も担当しなければならない」、「複数の仕事が同時進行する」等だそうです。3Kとは、以前は「きつい、汚い、危険」でしたが、今は「きつい、帰れない、給料が安い」だそうです。しかし、実際に顧客に感謝されたときに、ヤリガイは感じるものであるとも述べられました。いであ社の入社3年目教育では、「チャレンジ精神と、積極的に自らが動く気持ちが大事である!」と、話されるそうです。東日本大震災を例に、「社員たちが自ら志願して福島に出向き、毎日徹夜で調査を実施して大変苦労した。しかし、全員が社会貢献できたことを誇りに思っている。」と話されました。若いときは天職を探すのではなく、目先の利益にとらわれずに、ひたすら自分自身に投資することが将来の利益につながることを知って欲しいと述べられました。

そして最後に、新しいことを吸収する能力は5年毎に半減するが、判断する能力は5年毎に増えるので、30代の頑張りが大事だとも力説されていました。「仕事を好きななること、面白がることが大事であり、前向きのチャレンジが失敗しても、必ず自分自身のためになる。」と締めくくられました。

小島氏の後輩を思う、熱き思いと優しい心遣いが伝わった講義だったと感じました。

 

次回の開催予定

第3回 高度専門キャリア形成論Ⅰ・Ⅱは、7月4日(木)に開催されます。

「学位取得者が水族館で何ができるか ~営業から研究まで~」
 春日井  隆 氏 (名古屋港水族館職員)

開催場所は、品川キャンパス 白鷹館2F多目的ルームⅠです。

※どなたでも参加できますので、当日は直接会場へお越しください。

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