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HOME > 講義・ワークショップ > 講義・ワークショップ等の報告 > 第5回「高度専門キャリア形成論Ⅰ・Ⅱ」および第1回「ワークショップと懇談会」の報告です(H27年度)

講義・ワークショップ講義・ワークショップ等の報告

第5回「高度専門キャリア形成論Ⅰ・Ⅱ」および第1回「ワークショップと懇談会」の報告です(H27年度)

2015年09月25日

平成27年9月16日(水)、品川キャンパス・白鷹館2Fで、平成27年度第5回高度専門キャリア形成論が開催されました。今回は、第1回キャリア・ワークショップ+懇談会としての開催でした。

『博士人材、インターンシップで飛躍する』
  【 第1部 長期インターンシップ報告会 】
    王  莉莉 さん (DC2)研修先: 東安房漁業協同組合
    君塚 政文 さん (DC3)研修先: (一財)日本気象協会

  【 第2部 講 演 】~ 自然界と調和した社会創りを目指して ~

    辻本 浩史 氏 (一財)日本気象協会 執行役員 事業本部防災ソリューション事業部 部長
    高橋 淑子 氏 (一財)日本気象協会 事業本部防災ソリューション事業部 技師

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キャリア開発室の塩谷特任教授の司会進行で、平成27年度第1回キャリア・ワークショップが開始されました。最初に、キャリア開発室の神田室長から挨拶があり、続いて第1部長期インターンシップ報告会が始まりました。

初めに、東安房漁協での研修を終えた、王 莉莉さん(DC2)が発表しました。

研究を更に推進するために、実際の現場で働いてみようと長期インターンシップに応募したそうです。


IMG_0333 (144x144).jpg研修先では、水産物の加工作業に始まり、アワビの育成、畜養品の販売、水揚作業と入札、直売所での販売等々の様々な仕事を経験できた。また、現場での疑問はそこで働く人達に直接聞くことで、現場の問題点やその原因を解明することもできた。最初は不安もあったが、『困難には逃げないで向う』こと、そして『耳を傾ける・目を向ける』ことが信頼を獲得することに繋がると考えて活動した。また、謙虚な姿勢で『問うて学ぶ』こと、『自分の信念を大事にする』ことを学ぶことができた。

 「今後は、更に視野を拡げて学び続けることで、多角的に物事を考えることができるようになりたい」と述べて発表を締め括りました。

次に、日本気象協会での研修を修了した君塚政文さん(DC3)が発表しました。

元々は教師を志望しており、大学教員・研究職を目指してDCに進学したそうです。


IMG_0355 (144x144).jpg教員になる志しも、DCでの研究もなかなか思うようには進まなかった。そこで、企業で働くことを前提に、長期インターンシップに参加して視野を拡げる決意をした。研修先では、防災関連、内航船の最適航海支援計画、台風時の降水量とダム流入量に関する情報支援サービス等の様々な業務に関わることができ、会議への参加、報告書の作成、顧客訪問による説明等々を通して、実際に現場に行かないと得られない情報をたくさん得ることができた。研修を通して、『誠実に取り組み、より良い社会を目指して、新しい社会に飛び込む勇気』が大切だと理解できた。また、博士人材に求められていることは、知識よりも周りの人と協力して問題を解決していくことだと学んだ。

「長期インターンシップに参加したことで、視野を拡げることができたと実感している」と述べて発表を締め括りました。

~ 日本気象協会の事業展開と求める人材像 ~
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いて、第2部の講演が開始された。初めに、君塚さんの研修先である日本気象協会の辻本浩史氏が登壇されました。

冒頭で、君塚さんが関わった開発の成果として、『台風進路をヨーロッパのモデルで予想する業務』が、その後実際に実用化されたことが報告されました。そして、略歴紹介のなかでは、辻本氏も過去に挫折を経験したことがあると話がありました。


日本気象協会は、自然界とうまく調和した社会を作ることを目指して活動している会社であり、キーワードとして『気象×○○』を増やして事業を発展拡大していこうと考えている。気象の専門家集団というだけではなく、気象以外の様々な業務もしており、それが求める人材像にも繋がっている。

ここで、4つの事業部の活動内容について紹介がありました。また、こんなこともやっているという事例として、『気象×健康』や『気象×美容』等の紹介があり、いずれも積極的にビジネスに繋げていると説明がありました。


気象庁とは違うことをすることに企業としての意義があり、君塚さんの関わった開発では10日先の台風の予想進路を予測できるようになった。日本気象協会では、屋外の厳しい条件下で観測をすることもあり、海洋大はフィールドに強いイメージがあるので向いているかもしれない。また、海外にも積極的に進出しており、世界中で仕事をしている。色々なことをやっているので、学部を問わず様々な人材を必要としている。

「やりたい、やってみようという発想を持って、失敗を恐れず、自分の考えをキチンと持っていれば良いので、どんどん日本気象協会にチャレンジして欲しい」と述べて講演を締め括られました。

~ 海洋人材がキャリアを切り拓く ~
IMG_0370 (144x144).jpg最後に、日本気象協会の高橋淑子氏が登壇されました。

東京商船大学を卒業後、航海士を夢見て乗船実習科に進んだ。その後、陸から船を支える仕事を志して大学院へ進んだ。男性社会での就職には不安もあり、仕事との両立を考えると、女性支援体制や、休職、出張、転勤等についても考えるようになったそうです。

これまでに、2回転職した経緯について話されました。


最初の会社では、報告業務が多かったので大学院での経験が活かせたが、直接顧客に関わる機会が少なかったので転職することにした。次の会社では、現場に行く機会は多かったが女性が少なく、長く続けるには体力的に難しいと思った。結婚や出産を考えると、長く働ける会社に務めたかったので、日本気象協会の求人に応募して現在に至っている。同社は、多岐に渡る分野に携われることや、社会貢献ができるのが魅力だと感じている。また、女性社員が多く、働き易い職場だと思っている。

次に、入社時から携わっている内航船向け航海支援システムの説明がありました。


航海支援システムは、悪天候を避けるためだけの目的から、最近では燃料費削減やCo2削減の観点からも注目されている。風と波と海潮流の三要素で航海計画を作成しているが、黒潮航路では研修中の君塚さんにも手伝っていただいた。

現在は、海洋大のDCに在籍して技術の向上に努めているほか、ワークライフバランスにも心掛けていると写真で紹介がありました。「仕事で心掛けていることは、顧客ニーズの把握、情報収集、そして自己研鑽」と述べて講演を締め括られました。

続いて、質疑応答に移りました。

《質疑応答》
IMG_0380 (288x192).jpgQ-1: 博士課程に入学したきっかけと、今後の目標は?
業務システムを海洋大等と共同開発したことから、DCへの進学を勧められた。今後は、外航へのサービス拡大等により更なる普及を図りたい。(高橋氏)
Q-2: 海外では船舶の事故が多いが、このシステムが事故防止に役立つのか?
燃料消費を減らすことが主目的だが、安全情報としても役立てることはできる。しかし、事故防止は、システムだけに頼るものではない。(高橋氏)
Q-3: インターンシップのどんな経験が自分の視野を拡げることに繋がったのか?
インターンシップでの業務を通して、専門性を横に広げることができた。例えば、海流の専門知識を実際の業務に活かすことができた。また、人と人との繋がりを拡げることもできた。(君塚さん)

最後に、海洋工学部長である岩坂教授から閉会の挨拶がありました。

IMG_0385 (144x144).jpg「これまで、大学院生の就職に対するシステマティックな仕組みが少なかった。専門そのものを活かすのか、身に付けた能力を活かすのかに迷ったら、キャリア開発室の支援を受けて自分の将来を見付けて欲しい」と述べて、本日のキャリア・ワークショップが閉会しました。


 

引き続いて、企業の方々と学生が交流する懇談会が開催されました。

以上

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